「Barcode-Talker」のご紹介
Barcode-Talkerは、世の中に流通しているほとんどの商品に添付されている「バーコード」を読み取り、その商品がなんなのかを教えてくれる便利なソフトウェアです。
現在、Barcode-Talkerは、らくらくホンで利用できる「Barcode-Talker for らくらくホン」と、Windows上で動作する「Barcode-Talker for windows」の2種類が公開されています。
このソフトウェアを使えば、手元にあるペットボトルの中身がなんなのか、このレトルト食品らしい箱には何が入っているのかを調べることができます。
- スポーツドリンクだと思ってふたを取り、勢いよく飲み干したらめんつゆだった
- ふりかけだと思ってご飯にかけたらスープの素だった
- フルーチェだと思ってコップに空けたらレトルトカレーでがっかりした、もしくはレトルトカレーだと思って勢いよくご飯にかけたらフルーチェだった」
私を含め、一人暮らしをしたことのある視覚障害者の方々なら、一度は似たような笑うに笑えない経験をしたことがあるでしょう。
このような悲劇(笑)を防ぐためにも、この「Barcode-Talker」は大変有用なツールです。
しかし、喜ぶのはまだ早い!このシステムには、「読み取るべきバーコードが何処に書いてあるか分からなければうまく読み取れない」という、申告カツ重大な問題があります
それではなぜ、今の段階でこのようなページを作り、皆さんに紹介しているのかと申しますと、この技術に、大きな可能性があると感じているからです。
このシステムには、今までに無かった以下のような強みがあります。
- バーコードはほとんどの商品に添付されているため、利用できる幅が非情に広い。
- 既にある物を利用するため、製造者側にかかる負担を最小限にとどめることができる
- 「Barcode-Talker for らくらくホン」は、視覚障害者の間で多く普及している「らくらくホン」を利用するため、特別なハードウェアを購入する必要が無い
特に最初にあげた事項は大変重要です。
私は、一般企業で仕事をしていますが、あらゆる場面でコスト削減を要求されています
。ほとんどの企業は、視覚障害者のような少数の人たちだけのために、多くのコストをかけてすべての商品に特別なコードを印刷したり、それを読み取るためのハードウェアといった、少数の人にしか売れない商品を開発しようとは思わないでしょう。利益の出ない仕事にかけるコストは最小限に抑え、その分を利益の出るところに充当する。これが一般的な考え方であり、その上で、余裕があれば「企業の社会的責任(CSR)」を果たすために、このような事業を行うケースがほとんどではないでしょうか。
利益には鳴らなくても、社会のために役立つ事業に多くの費用を充当している企業があることはもちろん知っています。そういった方々の努力によって、大きな助けを得ていることも認識していますし、感謝しています。
ただ、そのような考えが一般的で無い限り、世の中に流通しているほとんどの商品に視覚障害者のための特別なコードが印刷されるなどと言うことはあまり期待できません。しかし、バーコードを印刷する位置や向きを変えることは、専用のコードを印刷するよりも遥に安いコストで実現できるのではないでしょうか。
また、「Barcode-Talker for らくらくホン」に関して言えば、携帯電話のカメラは日々進歩していますから、次世代のらくらくホンが、バーコード読み取りに適したカメラを採用する可能性もあります。
バーコードは、レジうちの手間を削減したり、商品管理を容易にするなど様々な目的で世の中のほとんどの商品に付けられているいわば「既存のインフラ」です。これを、「私たち視覚障害者が利用できる方法が確立されつつある。このことこそが今、私を興奮させているのです。
「印刷されたバーコードの位置が分からず苦労するぐらいなら、実際に開けて飲んだり食べたりして確認した方がましだ」
こう思ったあなた、本当にそうでしょうか?次のような場合、この苦労に見合った結果を得られるはずです。
「深夜、熱を出した子供に飲ませる薬を探したいけれど、解熱剤と下痢止めの薬の箱が似ていて分からない」
Barcode-Talkerを利用すれば、正確な薬の名前が分かるはずです。正確な薬の名前が分かれば、それをインターネットで検索して、正しい用法・用量を確認することができるのではないでしょうか
以下に、私がBarcode-Talkerを使用した録音ファイルを掲載しますので、これを聞いてみて、「できそうだな」と思ったら、是非試してみてください。「一人では難しそうだ」と思ったら、無理矢理独力でやろうとせず、携帯電話やパソコンを普段からよく利用している晴眼者の助けを借りてください。
独力でできないからと言って、開発スタッフの方に電話で問い合わせて、サポートを求めるのは辞めましょう。このようなサポートに使っている時間は、このシステムを「もっと使いやすくするための改良作業」に当てて頂きたい貴重な時間だからです。
録音ファイルリスト
- Barcode-Talker for らくらくホンのデモ
- Barcode-Talker For Windowsのデモその1(始めに)
- Barcode-Talker For Windowsのデモその2(ダウンロードとインストール・設定)
- Barcode-Talker For Windowsのデモその3(実際に使ってみる)
ダウンロードリンク
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