ユニットバス利用の心構え


 日本人というのは何百年も前から風呂に入る習慣を持っている。
その日本にあるマンションが、どうしてユニットバスを採用するところが多いのだろう。これは基本的に考え方が間違っている。
風呂とトイレと洗面所が全く一緒の部屋に入っているんだから参ったものだ。トイレを使った後にすぐにシャワーを浴びると、くさい臭いが漂う中を我慢してシャワーを浴びなくてはならないかも知れない。
しかも、ちょっと間違えるとシャワールームからの水漏れでトイレットペーパーが水浸しになる可能性も否定できない。
こんな外国人の恥じるべき文化を、どうして日本人の建築家は積極的に採用しているのかがはっきり言って分からない。
 なんて騒いでも新居がユニットバスである以上、何とかこれを快適に使う方法というか心構えを会得しないとストレスがたまってしまうので、ちょっとばっかりこの「ユニットバスを上手に活用する方法」について心構えから実践テクニックを風呂の中で考えてみた。

1.ユニットバス利用の心構え


 日本人にとって風呂というのは湯につかって疲れをいやすための方法として古来より用いられてきた。
そして私たちの体の中にもこれは根強く染みついている。
しかし、引っ越し先がユニットバスだったあなたは、すぐにこの考えを改めて欲しい。
ユニットバスには浴槽があるので風呂の代わりになりそうなものだが、この考えも捨てて欲しい。
ユニットバス利用の心構えは項だ。
「ユニットバスは風呂ではない。体の汚れを洗い落とすための洗い場である」

2.ユニットバス利用時の注意点


 (1)事前に自分が風呂の中で必要なものの内、ぬれてもいいものをすべて浴槽に放り込んでおく。
これは下手に水浸しの手を外に出すことで、トイレを汚さないための極意である。
シャワーを出したまま水浸しの手を外に出したりすると、シャワーカーテンに隙間ができてしまい、トイレが水浸しになる確率が大きくなるのでこれは必ず守って頂きたい。
 (2)髪の毛が長い人で、洗髪の後、体を洗う前にまず頭を乾いたタオルで拭きたい人は、シャワーカーテンを閉めた状態で、手だけを出して外を見ないでタオルを探せるようにした方がいい。
これも理由は上記のものと同じく、水浸しの手を外に出して、長時間振り回さないための方法である。
また、シャワーカーテンを開ければこんな面倒くさいことをしなくていいという話しもあるが、冬場の寒い時期にシャワーカーテンを開けると非常に寒いのでこれはおすすめできない。
 (3)これは当たり前のことかも知れないが、シャワーカーテンは浴槽の内側に引く。
外側に引くと水がトイレの方に行ってしまってトイレが水浸しになる。
 (4)シャワーを浴びるときは、絶対にカーテンと反対方に体のシャワーの当たる面を向けてはいけない。
これも同じくシャワーカーテン側に水を飛ばさないことでトイレに水が進出するのを防ぐ方法だ。
 (5)シャワーの温度は少し熱いぐらいに設定しておく。
ぬるいシャワーを浴びると体が温まらないので非常に寒い。
 (6)体を洗い終わったら、カーテンを開ける前に絞ったタオルで体を良く拭く。
 (7)冬場寒いときなどは、ユニットバスに入る2,3分前に、シャワーを上の留め金からはずさない状態で、熱めのお湯を出しておいて、シャワーカーテンを閉め切っておく。
こうすることでシャワーカーテンの内側に暖かい湯気が充満し、裸で入っても寒いと言うことはない。

ユニットバスを快適に利用するための工夫


 心構えのところで書いたように、ユニットバスは日本人にとっての風呂とは全く概念を異にする方式である。
どちらかというと「洗い場」と考えると話が早い。
そこでユニットバスを洗い場として考えた場合何が足りないだろうか?
まず第1に思いつくのは「腰掛け」である。
たいていの家の風呂の洗い場には、真ん中に穴の空いたプラスティック製の腰掛けが置かれている。
ここで「浴槽の中に腰掛けなんて?」と思ったあなた、それは心構えがなっていない典型的な証拠だ。
何度も繰り返すが、ユニットバスは体の汚れを落とすための洗い場であり、風呂ではない。
だから洗い場に当然のようにある腰掛けは必須の道具だ。そこでユニットバスにも浴槽の中に腰掛けを置いてしまおう。
 次に気になるのはシャンプーや石鹸などの置き場所である。
角のところにスペースがあればそこに置いてしまうのが一番いいのだが、最近のユニットバスというのは本当に融通が利かないもので、中にものを置くスペースすら作られていない。そこで、石鹸おきとシャンプー棚を吸盤で浴槽の内側に貼り付けてしまおう。
こうすればシャワーカーテンの外側に手を出さなければならないのは「シャワーの蛇口をひねるとき」だけになる。
最初私はシャンプーを浴槽の中に転がしたまま体を洗っていたのだが、何日かするとシャンプーのボトルが赤だらけになるので、こういうことは絶対にやめた方がいい。
この二つがあるのと無いのでは、シャワーを浴びているときの快適さが全く違うと思う。
 次に気になるのはシャワーカーテンだ。これはあまり長すぎると余った部分が洗っている体に張り付いてきて非常に気持ち悪いので、水がこぼれない程度のべたつかない短めのものを購入するのがいいだろう。
また、シャワーカーテンは清潔感を保つため、ちょくちょく洗うことを考え「丸洗い可能なもの」を購入すべきである。

 以上私なりにユニットバスの使い方をまとめてみた。
少しは参考になっただろうか。
特に1.の心構えはしっかり気持ちを持っておかないと悲しくてしょうがなくなるのでよろしくお願いします。


雑文コーナーに戻る

エッセーコーナーに戻る

トップページに戻る