最近はやりのブロードバンド、しかし皆さん、セキュリティーは大丈夫ですか?


 ここ最近のブロードバンドの普及にはすさまじいものがある。
ひとたび町中に出ればプロバイダーの営業マンが大きな声を張り上げて
「ブロードバンドはいかがですか」なんて言っている。
それに、酷いところになるとモデムまで配っているところまであるぐらいだ。
一昔前までは1.5MBPSの専用線環境を引くと月額数十万円もかかっていたものが、12MBPSのADSL環境であればモデムのレンタル料金を含めても3500円程度で何とかなる時代がやってきた。

 そんな中私は最近考える。この状況下でブロードバンドに入会した人たち、セキュリティーは大丈夫なのだろうかと。
 インターネットに接続すると言うことは、自分のコンピューターを使って世界中の様々なホームページを見たり、相手が地球の裏側にいてもメールをやりとりしたりできるようになる。
これはとてもすばらしいことであるに間違いない。
ところが、その一方で世界中のコンピュータにアクセスできると言うことは、「自分のコンピュータも世界中からアクセスされる可能性がある」ということを、どれだけの人々が認識しているのだろう。
私の友人にも何人かADSL接続やCATV接続などでいつでもインターネットにつながった状態、つまり常時接続の仲間がいる。
そのうちの何人かはコンピューター好きの友達だから一応の安全対策は取っている。
ところが、その他の友人は、私が何回か言っているにもかかわらず、セキュリティ対策を全く取っていないと言わざるを得ない。
中には無線LANまで導入している人もいる。
 ここで誤解して欲しくないのは、私は無線LANはセキュリティを低下させるからいけないと言っているのではない。
問題なのは無線LANそのものではなく、設定の方である。
ホットスポットといわれる無線LAN内蔵コンピュータ向けのサービスを聞いたことのある人は多いと思うが、あれは誰でも無線LAN内蔵のコンピュータをそのスポットの近くに持っていくことで、インターネットに自由に接続できるというサービスだ。
ここでお気づきの方、いらっしゃるだろうか。
そう、無線LANというのは、セキュリティ対策を講じなければ、電波の届く範囲内にいるひとに、自分の無線LAN設備にアクセスされてしまうと言うことになる。
これは自分の契約しているプロバイダーを盗まれるということのみならず、同じLAN内にあるコンピューターがファイル共有可能になっていたりすると、簡単にアクセスされてしまうと言うことだ。

 このような状況はもちろん私の友人に限ったことではなく、世間のブロードバンドユーザーの半数以上で起きてしまっているのではないかと私は考える。
 さて、それではどうすれば安価にそこそこなセキュリティを確保することができるのだろうか。
世間一般ではそれこそ過剰すぎるほどの対策を紹介している。これを本当に実現するとなると結構大変になると思う。
そこで私は以下のようなセキュリティ対策を推奨する。

1.ブロードバンドルータの使用


 ブロードバンドルータは、一つのプロバイダ契約で複数代のコンピュータを接続するための装置だ。
この仕組みについて詳しいことはインターネット上を探せば山のように出てくるのでそれを参照して頂きたい。
たとえばこのサイトなどが参考になるだろう。
簡単に説明してみると、インターネット上では、すべてのコンピュータにIPアドレスというものが割り当てられる。
これは実社会の住所のようなもので、コンピュータ同士はこのIPアドレスを使って自分の位置を知らせたり、相手に情報を送信したりしている。
だからIPアドレスは他のコンピュータと重なってしまうことは許されないと言うことになる。
IPアドレスは通常コンピュータを起動したときにプロバイダーのサーバーから自動的に割り当てられる。
これはDHCPという仕組みを使って行われる。このときに割り当てられるアドレスは、インターネット全体に通用するアドレスで、「グローバルIPアドレス」などといわれたりする。
普通のプロバイダーの場合、コンピューター1台分の契約ではこのIPアドレスを一つしか取得できないような設定になっている。
そこで、このブロードバンドルータはプロバイダーから貰った一つのグローバルIPアドレスをそのルータの中だけで通用する複数の「プライベートIPアドレス」に変換する作業を行う装置なのである。
そうすると、ルータにつながっているコンピュータにはこのプライベートIPアドレスが割り当てられ、プロバイダーから取得したグローバルIPアドレスはルータに割り当てられる。上述したとおり、この「プライベートIPアドレス」はルータの中だけにしか通用しないので、不正アクセスをしようとして何か攻撃データを送りつけられても、そのデータはルータの入り口で遮断されて、自分のコンピュータまで届かないことになるのである。
だからこれを導入しておくと言うことは、普通にモデムに直接コンピュータをつなげている状態よりかは遙かに安全である。
 ブロードバンドルータは安価なものでは3000円前後から売られている。
ほとんどの製品が設定をWebブラウザで行うのだが、この画面は音声環境で利用できるものとそうでないものがある。
私がここでお薦めしたいのは、Planexコミュニケーションズの「BRL-04EZ」である。
このルータはシンプルながら個人的に使う分には十分な機能を備えており、設定画面も比較的わかりやすく音声ブラウザでも問題なく操作できる。
しかもお値段も4000円程度と非常にお手軽である。

2.ウイルス対策ソフトを入れておく


 これは説明するまでもない。
私も最近ウイルスメールを見ない日が全くないぐらいに、このところ非常に多くのウイルスがネット上を飛び交っている。
特にOutlookをターゲットにしたウイルスが蔓延しているので、Outlookのユーザは十分注意した方がいいだろう。
MMメールのようなテキストメーラのユーザであっても、Webページを見ただけで感染するウイルスがあるので対策ソフトは必ずインストールし、自動アップデート機能を使って最新版のウイルス定義ファイルを入れておかなければいけないと考える。
ウイルス対策ソフトにはいろいろな製品があるが、私がおすすめなのは「Nortonアンチウイルス」である。
ここで大声で言っておきたいのは、「ノートンインターネットセキュリティー」ではないということ。
こいつはファイヤウォールとか他に余計な機能をインストールしてくれてしまうので、スクリーンリーダーと併用するとコンピュータの動作が重くて耐えきれない。
アンチウイルス単体であれば、そんなにストレスになるほどのパフォーマンスの低下は見られないので私はこれが大好きだ。
しかもこのソフトは、ウイルスを見つけた場合に何の警告も出さずに黙って削除してくれるので、非常に快適にウイルスの被害から私のコンピュータを守ってくれている。

 以上ここまで長々と書いてしまったが、これから常時接続に切り替えようと思っている方は、是非ともセキュリティーには気を付けて頂きたいと思う。
そのままではあなたのコンピュータは世界中のどこからでものぞき見られる可能性があるのだから。


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